TE47 スプリンタートレノ

ここ一年ぐらいだろうか、旧車ブームが異常な盛り上がりを見せ、人気不人気にかかわらず古い車の高騰が続いている

1990年代以降の車なら、整備がきちんとされていたものなら普段使いも可能かもしれないと思えるが、もっと古い年代の車となると操作性も含めて所有するのには覚悟が必要だろうと思うので、私が初めて買った車のTE47スプリンタートレノをサンプルにしてどんな感じが語ってみたい

TE47スプリンタートレノ

スプリンタートレノGT(TE47)は、1974年〜75年に販売されていたが、厳しくなった排ガス規制に適応できずに販売終了になったというモデル

生産台数はかなり少なかったと最近知った

私が購入したのは1975年式で無鉛レギュラーガソリン仕様(他に有鉛ハイオク仕様もあったらしいがほとんど流通していないのではないか)

エンジンは2T-G(1600ccDOHC)にソレックスツインで、110ps/6000rpm(グロス)というスペックだった

スピードメーターは210km/hまで刻まれているもので、水温や油温などのメーターがずらっと並んだスポーツカーらしい運転席は、座った人をその気にさせる雰囲気があった

購入時は約6万キロ走行の中古車で、現代の感覚では6万キロはまだまだ新しいという感覚だが、当時の6万キロはだいぶくたびれた雰囲気が出ていた状態

足回りは固めで、乗り心地は悪い部類に入ると思う

マフラーはノーマルだったので排気音はそれほどうるさい感じはなかったが、ソレックスキャブの吸気音は迫力があり、タイミングチェーンのカム駆動もメカニカルノイズがするので、排気音より吸気音がうるさい車という感じだった

友人知人からは家の前を通ると音で分かると言われたほど

ハンドルはロックトゥロックが3.5回転でパワーアシストはない

そのため、フロント195/70R13のタイヤでも車庫入れはキツいと感じるぐらいハンドルは重かった

また、クラッチも重いのだが、ブレーキもマスターバックが4インチ(記憶違いかもしれないが)の小さいものだったので、思いっきり踏み込まないと効かないものだった

アクセルも重いので、慣れないと普通に走るだけでも疲れる車だったと思う

エンジンは典型的な高回転型

約4000回転でキャブがセカンダリーに切り替わるのだが、それよりも下の回転数ではトルクが無くスッカスカだった

AE86を運転したことがある人はトルクが無くて低回転はスカスカだと思うかもしれないが、TE47を運転した後なら、4A-Gってトルクあるなあ……などと思えるほど

4000回転を超えるとエンジン音も勇ましくなって加速感はなかなかのものだったが、今の水準で考えたらそれほどじゃないと思う

そもそも当時は他の車が速くなかったので、相対的に速い車に分類されていただけで、絶対的な速さは今の車にはまったくかなわないだろうなと思う

サスペンションに関しては、基本構造がAE86までほとんど変わっていないと言われているので、当時としては普通のものだったと思うが、リアのリーフスプリング(板バネ)が硬いうえにリジットアクスルの駆動系と相まってよく滑る足だった

当時は家から近い場所で工業団地の造成が行われていて、夜になると交通量がまったく無い広い道路になったので、雪が降ったりするとドリフトの練習をしてたりしたが、滑り出しも素直で扱いやすかった記憶がある

燃費に関しては、田舎の通勤で1リッターあたり約6〜7キロ

プラグを良い物に換えたり、エンジンオイルをいろいろ試したりしたので8キロまで伸ばすことができたが、だいたいいつも燃費の悪さには泣かされていた

エンジンの始動も、イグニッションをONにしてからアクセルを底までゆっくりと踏んで戻し、軽く踏みながらセルを回すという儀式が必要

特に意識しないでセルを回すと、エンジンがかかるまで何度もセルを回し直す必要があった

また、苦労したのが冬場の暖気運転

エンジンが暖まるまでの間、チョークレバーを引いて回転数を1500回転ぐらいに保たなくてはならないのだが、私のはチョークを引いても回転が全然安定しないので、寒いのを我慢しながらチョークを引かずにアクセルで1500〜2000回転ぐらいを保ちながら暖気運転をしていた

今思えば、ソレックスをオーバーホールか新品交換すればだいぶ違ったのかもしれないのだが、当時はそんなお金がなかったのだから仕方がない

ミッションは当時のトヨタ車らしい、節度があって各ギヤの位置が分かりやすくて扱いやすいものだった

その当時の日産車などはシフトフィールがグンニャリしていて、ひどいものになるとニュートラルなのかギヤが入っているのか分からないものなどもあり、購入を検討している頃からトヨタにしようと決めていた

この車でヒールアンドトゥも覚えたし、トラクションの意識とか滑った後の対処とか、または燃費を稼ぐ方法なども覚えていった

なんやかやで運転の基礎を教えてくれた車だったと思う

ただ、今なら当たり前のエアコン・パワステ・パワーウィンドウなども無かったので普段使いでは困ることも多かった

これから所有しようなんて考えるとしたら、1975年製というともはやクラシックカーのレベルだと思うので、維持は相当に厳しいだろうなと思う

私が所有していた3年間でもすでに機械としての限界が近づいていた感じがしていたので、そこからさらに数十年が経過していることを考えると新たに組み立て直すぐらいの労力と経済力は必要なんじゃないかな……と思えてしまうのだ

なんだかネガティブなことばかり書いてしまったが、旧車に興味を持って乗ってみたいと思ったとしても、よほどのこだわりがない限りこの年代のは勧められないと思う

金属やプラスチック部品もこの年代のは劣化しやすいので、細かいところがボロボロになってるケースは多々あるし、替えの部品も入手困難

レストアしてコレクションしたいというなら良いと思うが、普段使いには全く勧められない

TE47のような電子制御がほとんど無い車に現役として乗れたのは、今となっては運が良かったのかもしれないが、旧車として異常な値段になっているのを見ると違和感を感じてしまう

現代の車にもうちょっと魅力があれば良いのだがと思うのは旧車に興味を持つ人たちと同じなので、車メーカーも安全装備の義務ばかり増やしている国の制度も、そろそろ意識改革が必要な時期に来てるのかもなんて思うのだった

雪道運転の2段階○○

コロナで揺れた2021年も11月末となり、各地から初雪の便りも聞こえてくる時期となった

最近では全国どこでも雪が積もる可能性があったりして、昔は雪の降ることの無かった地域の人たちでさえ、備えとしてスタッドレスを買うというケースも増えているようだ

雪道はスタッドレスを履いていれば何とかなる……は正しいのだが、スタッドレスであれば雪道走行は大丈夫というものでもない

しかし、雪道運転のノウハウを挙げだしたらキリがないので、ここでは発進と停止に大事なテクニックを紹介したい

まずは停止に必要なブレーキの踏み方だが、2段階ブレーキというのを提案する

具体的には、乾燥路でのブレーキ踏み始め位置より手前で、ちょっと強めにブレーキを踏むのが第1段階

凍結路ならば、ここでABSが効いてしまうと思うので、ABSが作動したらブレーキを踏む力をちょっと緩める

そうするとタイヤがグリップを取り戻すので、もう一度ブレーキを踏み直す これが第2段階

ブレーキを踏む力を緩めるとは言っても、ブレーキペダルから完全に足を離してしまうのではなく、ペダルに乗せた足の力を緩める程度が良い

イメージとしては、自動車教習所で習う「ポンピングブレーキ」をもっとスマートにやる感じだろうか

ポンピングブレーキというと、最近はABSがあるから過去の技術だよね……と言う人がいるが、凍結路面でABSが効いても、全然止まらずに滑っていくという経験をしたことがない人なんだろうなと思う

肝心なのはタイヤが路面をしっかり捉えることなので、滑ってる状態から一度負荷を緩めることで、グリップを取り戻しやすい状態を作ってやるのがこの2段階ブレーキなのだ

歩くのさえ困難な凍結路面というのは、目で見ても普通の舗装路にしか見えないことがある(俗にブラックアイスバーンと言ったりする)

凍結の可能性がある気温ならば、停止用の距離を多めに取ってABSを危険センサー代わりに使うというのが、滑って慌てることを防ぐことになると思う

また、2段階目のブレーキでもABSが効く場合、それこそポンピングブレーキ的に何度も踏み直すと止まれることがある

さて、今度は発進の2段階

雪道、あるいは凍結路の発進はとにかくやんわりと行うのが良いと言われるが、ATでもMTでもタイヤをじわじわ転がすような発進というのは難しいし、神経を遣うものだ

そこでもっと簡単な方法が2段階アクセルである

原理は停止の場合とそう変わらない

滑って発進できないというのは単純な話、タイヤがグリップできていないということなので、タイヤにかかる負荷を緩めてグリップを取り戻せば発進可能になるということだ

具体的にはAT車ならクリープでアクセルを踏まずに前に進むことを確認してから徐々にアクセルを踏む

MT車なら、普段の発進より少しだけ慎重にクラッチをつなぎ、滑りを感じたらアクセルを緩めクラッチを踏む

少しでも前に動き出しさえすれば、一度駆動力を緩めることで、タイヤのグリップを取り戻すことは簡単になる

ただこれだけのことだが、何も意識しない発進よりも確実に前に進めると思う

雪道や凍結路は慎重な運転が必要だが、常に緊張状態では疲れてしまう

そこでこういった、ちょっとしたコツを覚えていくことで、乾燥路との違いに戸惑わずに済むのではないかと思う

S2000を買うとしたら(2021年夏版)

2016年12月に「AP1を買うとしたら」という投稿をして、今でもアクセスを頂く記事になっているが、ここ数年のスポーツカーブームで価格とか人気傾向とかがだいぶ変化しているので、2021年夏版ということで更新しておきたい

何かの参考になれば幸いだと思う

以前の記事はこちら→AP1を買うとしたら

前の投稿ではAP1のみに絞った内容だったが、今回はAP2についても記載するので、まずはタイプの紹介から

S2000 AP1-100,110

AP1-100(1999年4月-2000年3月)

AP1-110(2000年4月-2001年8月)

最初期型

重量は最も軽く、操作性はピーキー

中古車市場で安いのはだいたいこの型

AP1-110からVGS(可変ステアリングシステム)を採用したタイプVが追加された

幌のウィンドウはビニールタイプ

フロントガラスの枠がシールでブラックアウトされているのはこの型のみ

S2000 AP1-120

AP1-120(2001年9月-2003年8月)

最初期型の最終型

幌のウィンドウがガラスになったのはこの型から

アンサーバックもこの型から付いた

特別仕様車ジオーレもこの型になる

S2000 AP1-130,135,200

AP1-130,135,200(2003年10月-2005年9月)

排気量2リッターのAP1としての最終型

バンパーやヘッドライト、テールランプなどの外装デザインが変更され、足回りのサブフレームの変更などもあり、操作性のピーキーさは緩和された

タイヤも17インチF215/45 R245/40となった

ここからはAP2(エンジンが2.2リッターのF22Cに変更されたもの)

S2000 AP2

AP2(2005-2009年)

エンジンが2.2リッターのF22Cとなり、許容回転数もF20Cの8,900rpmから8,000rpmとなった

スロットルがバイワイヤとなり、横滑り防止装置が付いた

ボディや足回りの構造はAP1-130以降と同じ

タイプVも継続

S2000 AP2 TypeS

AP2 TypeS(2007-2009年)

AP2のボディに新設計のエアロパーツを装着し、ダンパー&スプリング、シートなどTypeS専用の装備となったモデル

車両の画像は全てグーネットからの転載(グーネットカタログS2000

以上が販売されたモデルの一覧だが、中古車の価格は年代が新しくなるほど高く、走行距離が少ないものに付加価値が付くという、中古車としては普通の動きをしていると思う

ただ、相場となると、私がAP1-110を購入した2015年頃に比べて1.8〜2倍ぐらいの値段になってしまっている

ではどのモデルから探すのが良いか?ということになるが、普通なら予算に合わせて……というのが通用しにくい

タマ数が少ない上に最近のスポーツカー高騰の影響も大きいので、それぞれのタイプを知った上で候補を探し、候補の値段に合わせて予算を用意するという方法がいいのではないかと考える

タイプで異なる部分について

AP1-100,110の最初期型の場合、ノーマル状態での運用にこだわる場合はメリットが少ない

エンジンはより新しいAP1-120や130以降とほとんど変わらないし、足回りは設計が古いせいでノーマルダンパー・スタビではピーキーな操作性になる

ノーマル運用でS2000を楽しむなら、AP1-120,130以降かAP2を勧めたい

しかし、チューニングベースとして考えた場合、AP1-100,110はメリットが多くなる

まずAP1-100は中古のタマ数も多いので入手しやすく価格も安め

また、S2000をチューニングして乗るという場合、いずれ必要になるのがECUチューンなのだが、AP1-100,110対応のチューニングECUは比較的手に入れやすい(ECUの中古品は品薄なので難しいが)

AP1-120以降はセキュリティの関係もあるようで、ECUチューンの情報を私は見つけられなかった

AP2の場合はECU交換ではなく書き換えを行えるので、ECUチューンのハードルは低い

足回りに関しては、適切な車高調やダンパースプリングセットを利用すれば、危険とまで言われるピーキーさは緩和され、操作性も乗り心地も良くなる

最初から車高調が付いている場合は、ちゃんとしたメーカーならばオーバーホールが可能なので、銘柄・型式を確認することを強く勧める(一部、オーバーホールできない型もあるので要確認)

ノーマル志向の場合はTypeS用のダンパー・スプリングの検討も勧めたい

車高が10mmほど下がる上に特性も違うとか(伝聞だけで未確認)

足回りに関しては、関連する項目が多岐にわたるので中古車の程度判断は難しく、整備記録で確認出来ればベストだが、スポーツカーの扱いに慣れた店ならば詳しく教えてくれる……かもしれない

S2000購入経験のある人が次の購入候補として考えるのがAP1-120型

初期型の良いところを残しつつ、ガラス幌とかアンサーバックとかの改善点があり、ある意味完成型とも思えるからなのだが、問題はとにかくタマ数が少ないこと

そのため価格も高くなっているので、購入には覚悟が必要かもしれない

※個人的にはAP1-120のそこそこ良い個体があったらほしいと思っているが……

AP1後期(AP1-130,135,200)の場合は、サスペンションを支えるサブフレームの構造と強度が改善され、初期型で見られた危険な挙動は緩和された

そのため中古としても高価になっており、程度の良い個体も多いように思える

ただ、年数はかなり経っているので見た目よりくたびれている可能性はある

走行距離よりもメンテナンスがきちんと行われていたかを確認できることが望ましい

購入後はリフレッシュが必要な部分だけを交換していけば維持できそうではあるが、販売価格を考えると慎重に選びたくなる

チューニングについては、基本的にAP1-100,110と変わらないのだが、前述したとおりECUチューンに関しては情報を見つけられなかった

カリカリにいじって遊びたいという場合にはAP1-100,110の方を勧めたい

AP2の場合、AP1のような9,000回転まで回る!2000ccで250ps!とかのコマーシャルな部分は無いが、実質的な速さはAP2の方に軍配が上がるようだ

トルクが低回転から立ち上がるので運転はしやすいだろうし、カタログ値と実馬力の差があまりなく、堅実な速さを手に入れられるイメージがある

ECUチューンに関しては、前述したとおり設定値の書き換えが可能なので、わりと簡単に変化を楽しめるようだ

また、最終型のTypeSの空力はS2000の弱点を全てカバーしているということで個人的には一度所有してみたいと思っているのだが、問題はその値段

ちなみにAP1-130以降のバンパーならばTypeS用のフロントスポイラーを付けられるし、リアウィングはトランクごと交換することで全車が装着可能(補強しないで取り付けるとヘコむらしい)

TypeSが高すぎて買えないということであれば、エアロパーツだけを装着して見た目だけTypeSは可能だということは覚えておいていいだろう

足回りのチューニングはAP1初期型でもAP1後期やAP2でもそれほど変わらないので、どんな走り方をしたいかの目標を決めて、あとは好みで候補を絞っていくのがいいかと思う

ボディ周りの注意点

ボディ周りについては、AP1初期型を選ぶのであれば固有の注意点として、フロントアッパーアームブラケットの溶接剥がれが無いかは確認しておきたいところ(これはAP1-100,110,120が該当)

JUN フロントアッパーアームブラケットブレース
私のS2000のアッパーアームブラケット補強例

予防的に補強処理をする場合もあるので、補強がされていたとしてもネガティブ要素とはならない

ボディ周りに関しては、フェンダーの爪折りをしてあるものは要注意

いずれサーキットでタイムアタックしたいとかの場合はむしろメリットかもしれないが、爪折り後の処理が悪いとサビや変形の原因になるので、中古車としては避けたいところ

幌の注意点

幌に関しては張りがあって穴やひどいスレがなければ問題ない

AP1-100,110の場合でウィンドウがガラスの幌になっていたら1回は交換されている証拠となる

熱線のスイッチ
その場合、純正品のレトロフィットキットを使用したかどうかは、センターコンソールに熱線のスイッチが付いているかどうかで判断できる
※コンバーチブル研究所からの転載(S2000前期

幌は必ず開けて動作を確認しよう

引っかかりがあったり、畳みきれないで浮かんでる場合はどこかに不具合を抱えている可能性があり、修理ができない場合は全交換となる

走行中に幌の前部分から風切り音がする場合は、留め金具の緩みを調整すれば直ることがあるので、確認するといい(走行中に助手席の人に幌の前部分をフロントガラス側に押しつけてもらって音が消えれば、留め金具:ストライカーの緩みである可能性が高い)

あとは、トランクにある工具スペースを取り外して、その下にある内装部分に湿り気や水跡がないかを確認。

幌の取り付けが悪かったりメンテナンスが悪いと水漏れが起こり、ここに溜まるケースが多いからだ

※ここで言うメンテナンスとは、幌のレインレールからつながる排水路にゴミが詰まると排水がうまくいかずにトランクに流れてしまうので、そういったゴミを掃除することを言う

その他、ボディ周りや幌の注意点は、以前の投稿記事でも紹介しているのでそちらも読んでみてほしい

以前の記事はこちら→AP1を買うとしたら

タイヤとホイール

タイヤとホイールに関しては、サイズとタイプに注意

サイズは16インチならF205/55 R225/50 17インチならF215/45 R245/40というのがノーマルサイズだが、オフセットによってはF255/40 17も入る

フロントを255にしている場合は爪折りが必要だったり、アッパーアームブラケットにダメージがあったりするので、ノーマル志向の場合は避けたほうがいいかもしれない

また、ツライチにこだわる場合も、4〜5年前に測定方法が変わっているので、昔は大丈夫だったが今はダメというのもあるので注意が必要だ

タイヤのタイプはいわゆるプレミアムスポーツ以上のものを履いてる方が安心できる

もちろんハイグリップタイヤもいい

S2000はグリップが不足すると楽しんで走れない車なので、新品タイヤをサービスしてくれるという場合はタイヤのタイプに注意しよう

エンジン周り

エンジン周りでは、社外エアクリーナーに換えてある場合もあると思うが、その場合は無限やJ’sRacingのものならいいが、それ以外の場合はよく調べて気に入らない場合、ノーマル戻しも交渉してみた方がいい

ラジエーターはノーマルのもので無交換だと、そろそろ漏れが発生する時期にさしかかっているので、普通なら敬遠されがちなアルミラジエータに換えてあるものはむしろ歓迎できると思う

エンジンオイルは100%化学合成のものが標準と考えていいので、廉価オイルのシールが貼ってある場合は要注意

純正ならウルトラGOLD SN 5W40を基準として、同等以上のオイルを使用していることが望ましいと思う

駆動系

ミッションはオイル管理の履歴があればベストだが、それはあまり期待できないので、購入時に純正オイルに入れ替えてもらうか、購入後に好みのオイルに入れ替えるのを勧める

同様にデフもオイルの交換はした方がいいのだが、機械式LSDに換えてあるかどうかは確実に確認しておきたいところ

ノーマルデフと機械式LSDは操作性とオイル等のメンテ方法が異なるので、知っておかないといけない部分だと考えるからだ

クラッチはほとんどの部品が交換可能な構造となっているので、感触が悪い場合は全交換しないと直らないことがある

クラッチの交換が必要な場合、軽量フライホイールやステンメッシュクラッチラインへの交換を考えているならこのタイミングがベストで、後からフライホイールだけをやると高くつくということは覚えておこう

駆動系の重要部品のドライブシャフトやプロペラシャフトは、多少のガタつきがあっても即不具合とはなりにくいし、よほど慣れてる人じゃないと音に気づきにくい

中古車探しのチェックポイントとしてはあまり意識しなくていいと思う

それから、重要なチェックポイントとして……というよりは古い車を購入する際の重要ポイントとして、ハブベアリングのガタや異音が出ていないかは確認しておきたい

最悪の場合はハブごとすっぽ抜けて大事故になる可能性もある部品だけに、リフトアップしてガタがないかぐらいは確認したいところだ

ブレーキ周り

ブレーキはディスクがレコード盤になっていないかを確認

パッドの交換だけなら安いが、ディスクも交換となるとなかなかの出費となる

また、店頭に並ぶ状態では考えにくいことだが、ブレーキを引きずる症状が出ているとキャリパーのオーバーホールまたは交換が必要だ

ブレーキ自体はノーマルで性能的には問題ないので、試乗で気になるところがなければ大丈夫だと思う

シートや内装

ノーマルシートはスポーツ走行するなら交換することが前提になる……と言いたいぐらいホールド性が悪いので、レカロやブリッドが付いているならむしろ歓迎したいぐらいだが、シートレールがレカロあるいはブリッドの純正品かどうかは注意が必要

純正品でない場合は強度証明書があるかどうかを確認したい

内装については、フロアマットがちゃんとしてるか、ダッシュボードに大きな傷や割れがないかを確認

特にダッシュボードは交換となるとダッシュボードを全部外すことになって工賃が高いので、交換したくなるほどのダメージがあるものは避けたいところ

また、純正ナビは使い物にならないと思うので、いずれ外すことになると思うが、純正ナビの取り付け穴を利用して社外ナビを付けるといったことをやっているショップがいくつかあるので、ナビ付きの方が後々の出費を抑えられるかもしれない

※新品のダッシュボードに取り換えて社外ナビを取り付けてくれるショップもある

それからETCのカードリーダーの取付位置には注意

ステアリングコラム横のドライバーの左膝上に付けている場合があり、シートを交換した場合などに膝に当たるという場合がある

センターコンソールのグローブボックス内に仕込むのがスマートなので、移設できないか相談してみるといいかもしれない

ハードトップについて

S2000をオープンスポーツではなくスポーツカーとして購入しようとしてる場合、ハードトップが付いている個体を優先する場合があると思う(購入前の私がそうだった)

ただ、ハードトップは購入してから知ることになるオープンで走ることの気持ちよさを得るには、ひたすら邪魔になるということだけは知っておいてもらいたい

車体にハードトップを収納できるわけではないので、自宅に置いておくことになるし、取り外しには最低2人の人手が必要

しかも慣れてないとハードトップに付いている取付金具でボディにガリ傷……なんてこともあるようだ

ただハードトップは純正でも無限製でも20万円以上で売れるので、邪魔になったら売り払うというのも有りだとは思う

むしろ、あとから取り付けたい場合はそれなりの出費を覚悟する必要がある

純正品は新品がもう手に入らないので中古を探すことになるし、無限製のはFRP製とドライカーボン製では値段が倍ぐらい違うので要確認

幌車というのは頼りないイメージを持ってしまうが、S2000の幌はかなり丈夫で露天駐車でも簡単には痛まないということだけは考慮してほしい

エアロパーツについて

S2000という車は、見た目に反して空力はかなり悪い部類に入ると思う

横風に弱いし、高速道路での巡行中でも常識的な速度域でさえ浮いてるような不安を感じることがある

AP1-100,110,120ならばフロントにモデューロスポイラーが付いていればフロントが浮くような感覚は改善されるし、リアスポイラーなども効果があるので、実用性から言っても派手すぎないエアロパーツはあった方がいいと思う

GTウィングも私は肯定派だが、問題はそのサイズ

中古車市場では車検に通らない1600mm幅のを付けている個体があったりするので注意が必要だ(車検に通るのは翼端板を含めて1420mm以下)

AP1-130以降のフロントバンパーに無限のスポイラー(フロントウィング)が付いている場合は下側に擦り傷があるか確認したくなるが、これは傷があるのが普通というぐらい擦りやすいので、気にしない方がいいかもしれない(割れがある場合は取り外すことも考えた方がいい)

まとめてみる

S2000の中古車を購入する場合、年数が古いこともあって手厚い保証などは期待できない

ノーマル志向だとしても購入後に手を入れたくなる部分が多い車なので購入予算ギリギリでの維持は厳しい車だと思う

それでもきちんと整備された状態のS2000は本当に素晴らしい車なので、余計な出費や不安感を持ったりしないよう、事前の知識はあった方がいいと思うのだ

この投稿が佳きS2000ライフにつながってくれることを祈る

S2000とスタッドレス

コロナ禍でなにかとバタバタしている2020年ももう9月
そろそろ今シーズンのスタッドレスをどうするか考え始める時期となった

今はS2000に乗っていない私ではあるが、所有していた当時の経験と、手放してから気づいたことなどを含めてS2000用のスタッドレスについて考察してみたい

どんな車の場合でも、ノーマルタイヤを幅広なものに換えたりしてたとしてもスタッドレスには純正ホイールを流用してノーマルサイズを履かせるというパターンが多いと思う

私の場合も17インチのノーマルホイールを安く手に入れられたので、それにミシュランのX-ICE3を履かせていた

タイヤの性能に不満は無かったが、今から考えるともうちょっと良い方法があったのではないかと思えるので、そのことを書いてみる

S2000の17インチ純正ホイールのサイズは以下の通り

F 7.0JJ インセット 55 17(ハブ径 70mm)
R 8.5JJ インセット 65 17(ハブ径 64mm)

ノーマルタイヤのサイズは

F 215/45 R17
R 245/40 R17

となり、タイヤ外径は約630mmとなる

私が使っていたスタッドレスは、フロントは215/45 R17でジャストサイズだが、リアは245/40 R17というサイズが無いので、225/45 R17を装着していた
225/45 R17のタイヤに対して、リム幅 8.5JJだったので所謂引っ張り装着となって、タイヤのショルダーが少し丸くなってしまっていた

このショルダーの丸みが、積雪や凍結路面での発進時に横にズレるような感覚があった原因ではないかと思ったのだ

雪道でも安心できるブランドのタイヤはほとんど場合、17インチで40扁平というサイズは用意されていないので、どうしても45扁平から探すことになる
その場合にホイールのリム幅を丁度良いものにしないと、タイヤのエッジが効かずに性能を活かし切れていないことになるのではないかと

スタッドレスの場合、タイヤ幅も広すぎると横滑りを起こしやすくなるので、225幅も扱いやすさの限界ではないかとも思う

そうなると215/45 R17の4枚通しで良いのではとなり、例えばアコードユーロRの純正ホイールを流用したら……といったことを考えたりするのだが、その場合に問題になるのがS2000のフロントハブサイズ

S2000のフロントはハブ径が70mmなので、ほとんどのホンダ純正ホイールに採用されている64mmハブを装着することはできないのだ

以上のことからお勧めのセットは
タイヤサイズ 215/45 R17 を前後にそろえ、社外ホイールの7JJx17 インセット 40〜50
ホイールのハブは一般的なものなら73mmあたりだと思うので、フロントハブにはまらないということもないはず(要確認)

ノーマルタイヤのリア 245幅から比べるとだいぶ細くなったイメージがあるが、積雪路や凍結路での発進では面の設置よりもタイヤのエッジが大事だと感じるので、扱いやすくなると思う
インセット 45 あたりでツライチからすこしへこんだ状態になると思うが、雪道ではタイヤハウスの中に雪が詰まってくるので、空間的な余裕も必要になる

考察というには情報が足りないかもしれないが、17インチでスタッドレスを装着する場合の参考になれば幸いだと思う

本当のお勧めは、純正16インチホイールに純正ノーマルと同じサイズのスタッドレスを履かせるのが最も無難な選択だと思う

ただ、FRでの雪道発進での横ずれを完全に無くすことはできないので、これまでに書いた内容を実践したからといってまったく横ずれせずにスタートできるとは思わないでもらいたい
タイヤ幅を細めにするのは横ずれ防止というよりも、轍にハマってしまってもコントロールしやすいというのが利点だからだ

アコードユーロR(CL7)

今年の10月から車をアコードユーロR(CL7)に乗り換えた
毎日の通勤や生活の足として使ううちにだいぶ乗り慣れてきたので、自分なりの感想をメモしておこう

ところで何故アコードユーロRなのか……

それは予算内で近所の中古車販売店にあったから……というのが最も大きい理由だ

S2000を事故で廃車にしてしまい、車両保険の範囲では同程度のS2000を購入することが無理だと分かったのだが、どんな車にしようかはけっこう悩んだ

知り合いの整備工場では、とりあえずの足車として多走行の軽自動車でも買ってS2000の購入資金を貯めるのが良いのでは?と提案された

確かに営業車として使われていたものなら新しめなのに安く買えるし程度の良いものもそこそこあるらしい
最初はその意見に賛同して車探しをしたのだが、S2000から乗り換えることを考えるとやっぱりある程度のスポーツ性は欲しいな……と思い直すようになった

候補としてはEP3のシビックタイプRとアコードユーロR

特にホンダ好きというわけでは無いのだが、6速ミッションのバック位置が他のメーカーでは1速の左にあるので違和感があるだろうなとか、やっぱりターボなどよりNAがいいなとかを考えていくと2000年代前半のホンダになってしまったのだ
そして結局、自宅近くにある中古車販売店に置いてあったCL7が予算内で程度が良かったので決めてしまったというわけだ

という事情説明は程々にして車の感想を

感想とは言っても平成15年製で19万キロも走っている車なので新車状態とは比較にならないと思う
そんなわけで多少の不満を書いても決してCL7自体を貶しているわけでは無いと理解して欲しい

まずエンジンだが、ホンダの傑作と言われているK20Aは下からトルクもあるし、上は軽く回るしで評価が高いのもうなずけた
私のは19万キロも走っているとは信じられないほどエンジンの外観がきれいで、パワー感も充分にある
もしかしたら載せ替えているのかもしれないと思えるほどだ
ただ個人的には、S2000のF20Cエンジンのような下のトルクはあまりなく回せば回すだけパワーが出てくるようなタイプの方が好みだと再認識させられた

次にハンドリング

S2000と比較してはいけないのかもしれないが、やっぱりちょっと緩い
まあ、FRのスポーツカーとFFセダンのスポーツタイプを比べるのはおかしいとは思うのだが、もし普通のセダンやコンパクトカーからCL7に乗り換えたら充分にクイックなハンドリングだと感じるだろう

内装についてはとにかく広いと感じた

S2000からの比較というだけでなく、なんか広いなと思わせられる造りになっていると思った
ただしシートがレカロのSP-Jなので運転中のホールド感は充分にある
あと、トランクは広い

そして今まで知った欠点を並べておこう

まずオーディオの変更や増設は難しい

私のはメーカーオプションのナビが付いていたのだが、これが鬼門だった
ACCをONにすると画面には「ディスクを確認してください」の表示のみで、他には何も表示されない
空調のコントロールも表示されないので、とりあえずAUTOにして温度もとりあえず押してみるぐらいしか方法がない

なんとかナビ画面を表示できないかといろいろ画策してみたが、結局純正ナビを諦めてナビ無し用のパネルをヤフオクで調達して使っている

CL7純正ナビ最大の欠点は、ナビ機能と空調が一体となっていて、しかもナビの地図データが読み込めないとそこで処理が止まってしまうというクソみたいな設計だ
ナビ用の地図データの読み込みは基本機能を立ち上げてから行うようにすれば、とりあえず空調やCDプレーヤーは使えるはずなのに……

最初はなんとかナビを動かしてみたくて、ヤフオクでDVDの地図データを入手してみたがDVDドライブ自体がダメで読み込めない
動作確認済みのDVDドライブはヤフオクでも妙に高値が付いてしまって予算を超えてしまう

そこで接続端子がほとんど同じなレジェンド(KB1)のHDDドライブを入手してつないでみるとナビは起動したが、空調やナビの操作はできない状態になってしまった

起動できたナビ画面は今の水準ではショボすぎることが確認できたので、そのうち予算ができたら社外品のナビを取り付けてみるとしよう

それから先日紹介したクイックシフターの導入

ノーマルのシフトレバーは左に大きく曲がってオフセットされてるので1速が遠い
そして横も縦もストロークが大きくて、シフトとアクセルのタイミングを合わせるのが難しかった
オルガンペダル式のアクセルは案外使いやすくてヒール&トゥも問題ないのだが、肝心のシフトダウンで回転が合わなかったのだ

前の投稿で紹介したK-TunedのビレットシフターはS2000を思い出させられるぐらいにシフトストロークが短くなってとても感触が良くなった
一般によく知られている無限のクイックシフターがどうなのかは知らないが、シフトレバーが短くなっているという無限製では手の位置が下がりすぎてしまうと思うので、K-Tunedのノーマルとほぼ同じ高さでストロークが縮まるというのはとても良いと思った

あとは車高の問題

CL7のノーマル車高はやはり高すぎると思っている
前を4cm、後を3cm程度落としたらタイヤハウスとホイールの位置関係がちょうど良く収まりそうだ

ダウンサスだけで落とすのも良いが、少々抜け気味のダンパーをリフレッシュする意味でも車高調を入れたいなと思っているが、今は予算が無いのでそのうち……そのうち……

それからCL7に限らないが、交換したミッションオイルがなかなか良かったので紹介しておく
BILLION ビリオンOILS FFミッションオイル OPENデフ用 80W-90

ホンダ純正のミッションオイルはかなり柔らかいのでこの硬さはどうかと思っていたが、走り出しこそちょっと渋いものの、オイルが暖まってからの感触はなかなか良い
純正ヘリカルLSDの効きはあまり感じないが、普段使いの速度域ではスムーズに曲がっていけるので問題ないと思う

何はともあれ、だんだんと愛着が湧いてきているのは確かなので、これからも少ない予算でできるだけのファインチューンをしていきたいと思う

K-Tuned Billet Shifter導入

先日の投稿でS2000からアコードユーロR(CL7)に乗り換えたと書いた

ユーロRの乗り味については別の機会に詳しく書くとして、乗り始めて最も不満があったのがシフトフィールだった
みんカラあたりをCL7で検索してもらえば理解してもらえると思うが、シフトレバーが左に大きくオフセットされているせいで1速の位置が遠い
またストロークも大きいので、シフトの度にバタンバタンとした感覚がして回転合わせが上手くいかなかった

いろいろと情報を漁ってみると無限からクイックシフターが出ていたらしいが、絶版となっていて今となっては入手が困難
無限のはシフトレバーが真っ直ぐになっていて、さらに純正よりも25mmほど短くなっているそうで、ネットでの評判はすこぶる良い
どうにか入手できないものかと行動してみたが、運良くヤフオクあたりに出品されるのを待つしかないようだ

ところが、検索ワード「cl7 クイックシフター」で検索しているとカナダのチューンブランドのK-Tunedというところからクイックシフターが出ているらしい
写真を見ると純正のシフター部品を流用している無限製とは違い、アルミの削り出しっぽい外観でやたらカッコいい

しかし値段もなかなかのもので、セカイモンあたりで探してもだいたい日本円で5.5万~6万円弱といったところ
送料もそれなりにかかるし、場合によっては関税まで取られるらしいし納期もかかりそう……なんて考えで堂々巡りを続けていた

そんなところにヤフオクで在庫あり新品の出品があった
K-Tuned Billet Shifter

散々悩んだあげくに落札して、今日取り付けてみた
落札価格は 67,200円也

取り付けは純正のシフター一式を取り外して、同じように取り付けるだけ
みんカラあたりでたくさん見つかる無限クイックシフターの取り付けを参考にしたので、大きな苦労もなく取り付けることができた

しかし台座を取り付けるところのカラーは付属していないので、純正品から移植する必要があったのは予定外だった

取り付け写真がなくて申し訳ないが、シフトレバーの高さは純正とたいして変わらない

シフトの横方向を制御するスプリングがかなり硬いので操作性が悪くならないか心配したが、実際に取り付けてみると問題はなかった

そして肝心の操作感

正直なところ驚いた

S2000を初めて運転したとき、シフトストロークのあまりの短さに「えっ?!」と思った感覚を思い出させられた
シフト位置は純正と変わらないが、オフセットが無くなって運転席に近くなったので、なんとなく位置が高くなったような感覚がある
それがなんとも具合が良い

そしてシフトストロークはS2000を思い出させられるぐらいに短くカチッと決まる

S2000のシフト感覚に慣れた私には嬉しい誤算だが、普通のマニュアルシフトに慣れている人は戸惑うかもしれない
それぐらいカッチリした感覚に変わったのだ

作業の途中では、ここまで高いものを買って本当に良かったのか?なんて思っていたのだが、取り付けが終わって実際にシフトしてみると後悔の念なんかはどこかに吹っ飛んでしまった

値段から言って誰にでも勧められるものではないが、ゆるいシフトフィールのせいでどこかぼんやりした操作性だと思っていたユーロRを楽しく走らせることができそうで嬉しくなっている

後は注文済みで発送を待ってる強化クラッチペダルを導入すれば、さらに楽しくなりそうだ

S2000を亡くした記

今年の9月、愛車のS2000で事故を起こしてしまい、廃車処分となってしまった

事故は私の不注意から起こしてしまったもので反省点も多く、約2ヶ月の冷却期間を置かないとこうやって書き込むこともできないぐらいにショックも大きかったが、今ではやっと消化できたという感じだ

私のS2000は車両保険の範囲では修理不能で、いくらになるか分からない追金を支払う余裕もないので廃車にすることになった
現在は車が無いと通勤もできないので、格安で購入したアコード ユーロR (CL7)に乗っているので、いずれ話題にすることもあるだろう

いずれはもう一度S2000を購入したいと思っているし、3年間の所有中に仕入れた情報もいろいろあるので、またS2000についての話題を書き込むこともあると思う

私のS2000の勇姿

とりあえず私のS2000の仕様を書き留めておこう

AP1-110型(2001年製)ベースグレード

外装
フロントバンパーはノーマル+モデューロリップスポイラー
リアにVORTEXのGTウィング(TYPE-1)
幌は純正後期型のガラススクリーンタイプ(青)

エンジンはノーマル
変更点は
spoon製ビッグスロットル
マフラーはホンダツインカムのFEELS ソニックマフラー
J’sRACING HYPER ECU

駆動系
11万キロ時にクラッチ全体を交換
デフやプロペラシャフト、ドライブシャフトはノーマルで手つかず状態

足回り
ダンパーはオーリンズR&T + Swiftスプリング F 14k R 12k
13万キロ時にサスペンションブッシュを交換
ついでにフロントコンプライアンスブッシュをピロ化

ブレーキ
ディクセルスリット入りディスク
パッドはENDLESS MX72
14万キロ時にキャリパーオーバーホール
ついでにブレーキラインのステンレス化(ホンダツインカム FEELS)

シート
運転席と助手席の両方をRECARO SP-JJフランカー
その後に運転席のみRECARO RS-Gに変更

とこんな感じ
それ以外にボディにはA.S.Mのフロア補強バー、リジカラ、フロントアッパーアームブラケットブレース等

購入時には相場が一時的に下がっていたらしく程度の割には安く買えたのだが、その後にいろいろと装備を揃えていったので総額で新車時の値段を超えるぐらいになってしまった
そのため満足感は高かったし、ずっと乗り続けたかったのだがこればかりは仕方がない
いつかまた購入できるように頑張っていくしかないだろう

あえて?の16インチ

昨年の今頃のことだが S2000の夏タイヤを17インチセットから純正16インチホイールのセットに取り換えた
普通と逆のようなことをしたのは 当時借りた月極駐車場でタイヤが枠からはみ出してしまったための苦肉の策で少々後悔気味だったりしたのだが 今となっては取り換えて良かったと思うようになった

具体的には
変更前
ホイールはRAYS CE28N
タイヤはGOODYEAR EAGLE RS SPORT S SPEC
サイズ
F 225/45R17(7.5J +50)
R 245/40R17(8.5J +50)
変更後
ホイールは純正16インチ
タイヤはYOKOHAMA ADVAN SPORT V105
サイズ
F 205/55R16(6.5J +55)
R 225/50R16(7.5J +65)
となったわけだ

16インチにした当初の感想はその当時に書いているので割愛するとして 毎日の運転で16インチセットにして良かったと思うことを書いておこう

変更前の17インチセットはタイヤもハイグリップなせいもあるが 日常的なスピード域では私程度の腕では破綻する気配すら無いほど安定感が抜群だった
あまりに安定しすぎていてつまらないと感じるほど……

しかし16インチセットは17インチセットに比べて実用の速度域が20km/h程度下がった感じで 雑な扱いをすると簡単に不安定な挙動を起こす感じ
S2000初期型(AP1-100~120)はリアサスペンションのストロークが短いせいでコーナリング中のジオメトリー変化が大きく トラクションをかけるスイートスポットが狭いのが欠点と言われるが 16インチセットはその特性がもろに出てしまうのだろう

しかしこのちょっと神経質な特性が 普段の運転の面白さになっていると感じているのだ

さらに16インチタイヤは17インチセットに比べて値段が安いのも利点

まあそのかわり見た目が地味すぎるのは欠点なのだが……

16インチセットに取り換えるきっかけは月極駐車場の入らなかった件だが 実はその前にガンさんこと黒澤元治さんがS2000のプロトタイプをニュルブルクリンクで走らせている動画を見て そのウルトラスムーズな運転に憧れたと同時に 16インチセットでも200km/hを超える速度で安定して走れるんだと認識したことも影響している

実際に16インチセットで走ってみると 峠を楽しむレベルなら適度な緊張感があるし加減速にも不満は無い
コーナーへ突っ込み加減で進入すると不安定な挙動を起こすので自制にもなるし 加速のタイミングもちょうど良い範囲が狭いので雑なことはできない……など 普通ならマイナス要素になることが楽しくて仕方がない

そこで「あえての16インチ」と言い張ることにしたのだ

コーナリング中の不安定な挙動はホイールのオフセットを外側に寄せれば気にならなくなりそうだし フロントタイヤをもうちょっと太め(215か225あたり)にすれば収まるのではないかと思っているが 残念ながらスポーツタイヤで16インチはサイズを選べないしホイールもほとんどが絶版
見た目も安定感も17インチの方が圧倒的なのだが 今のタイヤはまだまだ使えそうなので ダメになるころにまた考えようと思う

そう言えば今使っているADVAN SPORT V105のヘビーウェット性能は素晴らしいことも書いておこう
昨年の9月に実家に移り住むことになって東京-岩手を何往復もしたのだが 天候が不順で水たまりの中を走ることも多かったのだが V105は滑ることもなく安定して走り続けることができた
ドライグリップに不満は無いし音も静かなこのタイヤは 仮に今度17インチセットに変更するとしてもまた選ぶことになりそうだ

S2000で冬を越した話

昨年の9月から事情があって実家のある岩手で暮らすことになった

それまで趣味の車だったS2000がそのまま日常の足車となったのだが 今年の冬は例年以上の積雪だったので雪道を走るのも日常となってしまったわけだ

S2000で走り回っていると「S2000で雪道は怖くないですか?」と何度か聞かれることがあった
その時々で「怖いですね」とか「そんなに怖くないですよ」という回答をしていたのだが これはテキトーなことを言ってるわけではなくて両方とも本当のことだ

怖いというのは 雪道を車で走るのはやっぱり怖いのでそのことを言っていて 慣れてくるとだんだんと怖いという感覚が薄れてきたりするが 凍結したりするとやっぱり肩がガチガチのこってしまうぐらい緊張する

しかし 怖いというのが「S2000だから怖い」という意味ならそれは「それほど怖くない」という回答になったのだ

S2000はFRのスポーツカーなので凍結路の発進や加速には確かに神経を遣う
しかし ペダルやハンドル そしてシートからダイレクトに路面の状態を感じ取れるので 滑ったりしても体が勝手に反応して対処できてしまう
だから路面上で横を向いたりタコ踊りを披露したりすることもなく無事に冬を越えることができたのだった

まあ 個人的にも冬に快適な車とは言えないし 車屋とかからは「S2000はやっぱり冬場は封印したほうが良いですよね」とか言われてしまったりもするぐらい 人に勧められるような扱い方でないのは確かなのだが……

ただ 車を大事にするというのにもいろいろあって 私の場合は「車は走らせてこそ」という考えでいるから 冬の間だけ封印してなんてのはちょっと違うと思っているのだ

さてここからが本題

S2000で冬を越してみて思ったことを並べてみよう

最も困るのは低い車高に伴って最低地上高が低いこと

私が住む岩手県南部は除雪が行き届いていて そんなにひどい轍にはならないが それでも車体下をこすりながら走っていることは多々あった
今は最低地上高が105~110mmぐらいだが ノーマル車高の最低地上高130mmなら大丈夫そうと感じたので 次の冬の前には車高をノーマルに戻すことも検討しようと思う

車内の寒さについてだが 屋根が幌でいかにも寒そうな外観ではあるが 実はそんなに寒くない
むしろ居住空間が狭いので 短時間で暖房が効く
そして幌の利点だと思うが 天気が良いと駐車中でもポカポカと暖かかったりするのだ

運転操作については先ほどちょっと触れたが 地下足袋で雪道を歩いているような感覚で路面状態が伝わってくるので 滑りそうな状況だとすぐ分かる
そのため 滑ったりしたときは反射的に対処できてしまうので大事にはならないで済んでいた
ただし 発進はなかなか神経を遣う必要があった
凍結路面とかシャーベット状とかだとすぐ後輪が横にズレようとするので アクセル操作は慎重にする必要があったのだ

雪道と言っても気温や雪の深さなどでいろんなパターンがあって 慣れればなんとかなるという単純なものではなかったが それでもだんだんと雪道走行を楽しむ余裕も出てきたりした

結局は ハンドルを切れば切っただけ アクセルを踏めば踏んだだけ進むというS2000の特性は雪道運転でも活きてくるのだと思う

車体への積雪については 冬の前にはハードトップの購入も考えたりしたこともあったが 実際には幌のままで問題はなかった
さすがに雪が降る度に雪下ろしするのは面倒なので 家の軒下に駐車するようにしたが 手間さえ惜しまなければ青空駐車でも問題ないだろうと思う
幌はなんとなく頼りなさげに思えるが 実際にはかなり丈夫なものなので 取り扱いに神経質になる必要はないと改めて思ったのだった

タイヤに関しては 以前の投稿でミシュランのX-ICE3を褒めたが カチカチの凍結路面ではちょっと頼りなさを感じた
溝がだいぶ減ってきている感じもするので 次の冬にはブリヂストンのVRX2にしてみようかと思っている

と そんなわけで次の冬にもS2000を日常的に乗り回す予定なのだが 時間と予算が許せば下回りの防錆と車高の調整はやっておきたい

インジェクターを交換した

私のS2000は去年の夏頃からずっとエンジンチェックランプが点灯したまま消えないという不具合に悩まされてきた
エラー内容を調べるといつも3番シリンダーの失火だったので 定番のイグニッションコイルやプラグを交換してみたが症状は改善されなかった

それ以外には
・インジェクターの劣化
・ノックセンサーの劣化
・O2センサーの劣化
などが考えられるが どれも交換するとなるとそれなりに金額がかかる場所ばかり

ただ エラーの内容から考えて3番シリンダーのインジェクターが正しく機能してないのかもと推察した

そこで今回 地元のホンダディーラーでインジェクター交換の見積もりを出してもらったところ想像していたより安かったのでやってもらうことにした

内容は

インジェクターとパッキンのセット 06164PCX010 54,864円
パルセーションダンパー 16680PCX003 3,358円
ガスケット等 16705PD1003 156円
ワッシャー,シーリング 12MM 90428PD6003 145円

これに工賃が(たぶん)0.5H分

実際の作業時間は交換が40分ぐらいで終わったが いろいろと点検までやってくれたのでトータルで2時間ほど

パルセーションダンパーはアイドリングでの不定愁訴(ときどきドッ…ドッ…となる症状)が収まることがあるというので念のために交換をお願いした

交換した結果だが ディーラーからの帰り道が凍結路だったので吹け上がりは充分に試せなかったが アイドリングが静かになったのは確認できた
春になって路面凍結の心配がなくなる頃には全開を試しても変化が分からなくなってるかもしれないが 今でも回転の上がり方はとてもスムーズなので峠とかにドライブに行ける季節が楽しみだ