バランスは大事

ゴールデンウィーク前あたりからS2000の足回りの設定に悩んでいた
発端は車検の事前整備でダンパーの調整をおかしくされたことなのだが その後も車高やアライメントを調整し直したり ダンパーの減衰力をいろいろ試したりしても どうにも丁度いいセッティングが見つからず つい最近もまたクルマの挙動がおかしいと感じていた

アライメントなのか それともやっぱり劣化してるブッシュ類を交換しないとダメなのだろうか……と考えていたのだが 意外なことで解決してしまった

実は4月の車検で後輪がスリップサインが出るほど減っていることを指摘されたのだが 予算の都合もあって後輪だけをグッドイヤーのRSスポーツ Sスペック(245/40R17)に取り替えていた
そして先日細かいチューンアップでパワーの上がったエンジンに対してブレーキの効きが悪いと感じてきたので ブレーキパッドとローターを新調することにしたのだが ついでにゴムが劣化しているっぽいフロントタイヤも交換することにした
銘柄はリアと同じグッドイヤー・RSスポーツSスペック(225/45R17)

今回はブレーキの新調がメインだったので その結果が楽しみだったのだが……

走りだして数分で感じたのは直進性やギャップに対する挙動が安定していることだった
ブレーキが足回りの挙動に直接影響するわけではないので 改善したのはフロントタイヤの新調によるものだろうと思う
ブレーキやタイヤの交換の前に感じていた不安定感はすっかり姿を消して 轍のある荒れ気味の舗装路でも思い通りに走れるし 加速時にハンドルを持っていかれるような感覚もない

つまり前後のタイヤはちゃんと揃えたほうが良いという 考えてみればすごく単純なことで不安定感は解消されたということなのだった

話は変わるがS2000を街乗りで楽しくという目的のアライメントについて 私なりに調べて理想値が分かってきた

次回 アライメント調整をするときには以下のような数値にしようと思う

フロント

トータルトー -0°5’(1mmほどトーアウト)
キャンバー -1°00′

リア

トータルトー -0°30’以下(3.8~6mmトーイン)
キャンバー -2°00′

こんな感じ

フロントのキャンバーはあまり寝かせるとハンドルが軽くなりすぎるし1°ぐらいが丁度良いと思った
トーはトータルで1mmほどのトーアウトとすることで ハンドルの切り始めにほんのちょっと「溜め」ができる
現在はトーゼロでハンドルを切るとすぐに方向を変え始めるので 峠の下りを目を三角にして走る……というような場面では良い感じだが 普段使いでは少々疲れる
切り始めのちょっとした遅れが 安心感になるのではないかと思うのだ

リアについてはフロントに対して1°増やしたキャンバーでコーナリングの安定感を得て トータルトーで6mmという標準値に近い設定とすることでS2000らしいオンザレール感を得られるようにする
現在はリアのトーをトータルで3.8mmとしているが 今でも後輪の挙動は良い感じだ

リアトーは操作性にかなり影響するということを知ったので 3.8mm~6.0mmの範囲に収めておくのがいいかなということだ

と……なんだか長い話になってしまったが 前後のタイヤの種類や状態はできる限り揃えた方がいいということを今回感じたし アライメント値も闇雲に動かさない方がいいということも感じた

ブレーキについては取り替えたばかりでやっと当たりが出てきた状態なので もうちょっと走り回ってから感想を書くことにしよう

<2016-08-29 追記>
タイヤの前後差が走行に影響していたと書いたが その後に足回りのブッシュを取り換えたらすっかり落ち着いた走りになった
もちろんタイヤの前後差が走りに影響があったとは思うが ブッシュ交換での変化があまりにも大きかったので この投稿で書いたことは勘違いだった可能性が高いとも思ったのだ

ブレーキについては ローターとパッドが馴染んできたら感触がだいぶ良くなって ペダルを踏んだら踏んだだけ効くという感じになったので 概ね期待通りになった
しかし 踏み始めがちょっとフニャっとした感じがするので いずれはブレーキラインをステンレスメッシュにしたりキャリパーをオーバーホールしたりも考えている

とりあえず最終

とりあえずなのに“最終” 日本語としてどうかとは思うが正直な感想である

何が最終なのかというと S2000のチューンアップについてはここらへんを最終にしようと思ったのだ

というのも 今日 ホンダ系のチューンアップパーツメーカーであるSpoonのアンテナショップTYPEONEで「バルブクリアランス調整」と「ベンチュリービッグスロットル装着」を行ってきた
費用はしめて84,000円ほど

走行距離が12万キロを超えてバルブクリアランスの調整はやりたいと思っていたし ビッグスロットルにすれば走り出しのときに感じるアクセル操作の加減の難しさが解消されると思ったからだ

チューンアップ費用としては比較的安い方だし 効果も「エンジン音が静かになる」「アイドリングが安定する」「少しのアクセル開度でエンジンが吹け上がる」といった どちらかと言えば穏やかな変化と予測していた

予測していた効果はきちんと感じられたで実行したかいがあったのだが……

実際に走ってみると予想を大きく超えてパワー感が上がった

アクセルを踏んだときのレスポンスが良くなったのは想定内だったが 全域でパワーがあきらかに上がっていると感じる
どれぐらいの差かと言えば 調整前でのエアコンを使っていない状態が 調整後ではエアコンを使っている状態ぐらい
というよりも エアコンを使ってもパワーの落ち込みを感じないといった方が正しいかもしれない

吹け上がりはとてもスムーズで ゼロスタートからの加速もとても良い

実は今まで 「S2000のパワーに不満は無いし そもそもこのクルマはパワーを楽しむクルマじゃない」なんて口では言っていても ゼロスタートで最近のミニバンやSUVをぶっちぎることもできないことに 腹の底でモヤッとした不満を持っていた

それが今回の調整ですっかり解消されたと思った

足回りや幌を刷新したりするという課題は残っているが とりあえずエンジンに不満はなくなった
それで今回のタイトルが「とりあえず最終」になったというわけだ

それにしてもバルブクリアランスの調整とビッグスロットルで調子が良くなったF20Cエンジンは本当に素晴らしい
4気筒の傑作エンジンだと改めて思った

なんだかS2000を手に入れたばかりの頃に感じていた とにかく走り回りたいという気持ちがよみがえってきた

以前はよく気分転換で首都高を流したりしていたが また再開しようかと思ったりしている

マフラー交換

先日というか けっこう前からS2000の空力特性に悩んでいた

見た目は車高が低くて空力が良さそうに見えるS2000だが 実は印象に反して空気抵抗が多いと感じる
空気抵抗が多いというよりは 空気のいなし方が下手という感じだろうか

初期型のオプションで用意されていたモデューロのリップスポイラーなどを付けるとフロントはけっこう安定するらしいし ちょっとしたリアスポイラーやウィングを付けるというのも定番の空力チューンナップなので そこらへんをやってみようかと考えていた

そんな流れの中でホンダ車のチューンナップで有名なホンダツインカムの製品で気になるものがあったので見に行ったのだが その時にキャンペーンをやっていたマフラーに一目惚れしてしまった

実はこの春あたりから頻繁に屋根を開けて走っていて その時に音が寂しいという感覚があり 良い音がするマフラーもほしいとは思っていたのだ

マフラーの希望としては
・アイドリング時にはノーマルと同程度の音量
・高速道路の巡航で多用する3~4千回転でこもり音がしない
・ハイカムに切り替わったら伸び伸びとした音がする
というものだったが S2000のマフラーに詳しい店で相談したときにはHKSのSSM(スーパーサウンドマスター)ぐらいしかそういうのは無いかも……と言われていた

当初はそのSSMが良いなと思っていたのだが ホンダツインカムのFEEL’Sソニックマフラーの外観が気に入ってしまったのだ
詳しく聞いてみるとFUJITSUBO製で似た製品でRM01Aに近い製品ということだが RM01Aは後期型(AP2)にしか対応しないがソニックマフラーはAP1も大丈夫ということで決めた

そして取り付けてもらったのでファーストインプレッション

アイドリング時の音量はノーマルよりも静かなぐらいだが ちょっと回すとけっこう太い音になる
最初に考えていたHKSのSSMのような高音寄りの音ではなく 全体的に太めの音
心配していたこもり音に関しては 残念ながら3000~3500回転あたりで耳に圧迫感を感じるような音がある
その範囲だけを外せば気になるこもり音はないので 慣れればなんとかなりそうだ

排気系のチューンはパワーアップやレスポンスアップを望むならエギゾーストマニホールドからやるのが良いと言われるが 実パワーはともかくマフラーの変更は気分が上がる

本当なら足回りや空力 そして幌を先にやるべきなのだが 今回は音をチューンして気分が上がったので思っていた以上に楽しくなったから良かったと思う

空力もそうだし足回りも中途半端な予算では満足できるところまで行けそうにないので 予算をしっかり用意して取り組みたいと考えている

というか もうさすがにお金を掛けることを止めないと本当にヤバいかもしれない
すでに買ったときの値段でもう一台買えるぐらいのお金を掛けてしまっているのだから……

(2016/7/19 追記)

先日都内を走り回っているときに地下道で回転数を思いっきり上げてみたが 太めの音だと思っていた音質が高回転ではレーシングエンジンのような響きになった
またエンジンをかけた瞬間の音もなかなか良い
S2000は本来の高音寄りの音質を強調したようなのが良いと思っていたが 太めの音から高回転では荒っぽい音質に変化するソニックマフラーの音がだんだんと好みになってきた
やっぱり音というのはクルマの重要な要素だと改めて思ったのだった