幌の話

正月に自分でS2000の幌交換をしてから すっかり幌についての情報収集にハマってしまった
今回の交換作業をする前にもいろいろと調べてはいたのだが 実際に取り外しや取り付けをしてみると構造が解ってきたり愛着が湧いてきたりしてしまう

今回は初期型純正のリアスクリーンがビニールのタイプから後期型純正のガラススクリーンのものへ骨組みごとの交換だったが いつかは張り替えも自分でやってみたいものだ

ここでS2000の幌を分類して並べてみる

初期型(AP1-100,110)のビニールスクリーンタイプ
幌:スクリーンタイプ

幌の生地はビニール製
色あせしやすいが案外丈夫だと思う
リアスクリーンの面積は一番大きいがビニールなので視界は歪んでしまう
さらに冬場などは冷えてる状態で開け閉めをすると割れてしまったりする
そのため幌を開けるときに一旦途中で止めてスクリーンの折れを修正するという俗称「幌チョップ」が必要になる
頻繁に開け閉めする人は早めにガラススクリーンの幌に換えた方が良いと思う

後期型(AP1-120以降)のガラススクリーンタイプ(純正)
幌:ガラススクリーンタイプ

幌の生地はビニールスクリーンのタイプと同じビニール製
色は黒と青の2色(写真は青)
ガラスの面積はビニールスクリーンに比べるとたいぶ小さくなるが 視界はクリアになって至極良好
そしてガラスには熱線が入る(AP1-100,110からの変更では専用配線の設置が必要)

初期型のビニールスクリーンのタイプからこれにするためには 骨組みごとの交換が必要となる
それには骨組みと熱線の配線やスイッチまでセットになった「レトロフィットキット」が用意されているので バラバラにパーツを揃えるよりもリーズナブル
2016年10月頃でレトロフィットキットの価格は約23万円
取り付けを依頼した場合の総額で30万円強といったところか

初期型の骨組みのままでも後期型の幌を張る方法はあるようだが スクリーンの畳まれ方が変わるのでそのままでは取り付かない
最後端の幌骨に専用のストラップを付ければなんとかなりそうだが 素人判断ではガラスを割ってしまいそうで危険だと思う

社外品は初期型の骨組みにガラススクリーンの幌を組み込める上に価格も純正品に比べて安くすむ
さらに幌生地もアクリル繊維を織った布製なので 質感や耐久性も純正より優れていると言われている
アクリル繊維を使った布製とは言っても 表面が布製でその下には防水用になるビニール層があり さらに内装側の生地もある3層構造なので防水も問題ない
難があるとすれば 純正に比べてフィット感が劣るというところだが それは作業を行う人の熟練度によって差が出るようだ

そして社外品のメリットとして豊富な色が用意されているということ
せっかくボディの塗装には様々な色が用意されているS2000なのに 純正の黒か青しか選択できないのは寂しい限りなので社外品の色選択は楽しそうだ

また生地の厚みや風合いなどが違ういくつかのタイプも選択できるので 私も今の幌がボロくなってきたら是非とも社外品にしてみたいと思っている

欠点としては純正よりもガラスの面積が一回り小さいこと
ただ見慣れないと差に気がつかない程度なので実用上は問題ないらしい

オープンカーについては 幌車を所有するというのを経験してない頃は正直なところ抵抗があった
車の屋根が布製というのは 音がうるさいんじゃないかとか車庫が屋根付きじゃないとダメじゃなかろうかとかの不安があったからだ

しかし実際に乗ってみると外の雑音はそれほど気にならないし 雨が降っても全然大丈夫
雨が降ってる状態で屋外に駐車していても特段痛んだりはしない

それより何より 良い季候のときにオープンにできる利点は何にも代えがたい
開放感ならバイクの方がと言う人もいるが オープンカーの開放感はバイクのそれとはまた違う感覚で気持ちいい
まあバイクはヘルメットかぶってるし……大昔に原付ならヘルメットがいらなかった時代は開放感あったなあ……

さて幌の耐久性についてだが まったく開け閉めしないのならば純正でも社外品でも10年ぐらいは普通に保つらしい
逆に頻繁に開け閉めする場合は3~4年でどこかしら痛んでくるとか
普段の駐車場が屋外かどうかは紫外線による色あせが早いかどうかの違いが大きいようで 穴が開いたりするようなトラブルは屋外・屋内に関わらず開け閉めの回数の方が影響が大きいということらしい

そして幌の張り替えを依頼する場合 経験値の高いところを選ぶ必要があると感じた
レトロフィットキットのように組み付け済のものを交換する場合はディーラーを含めどこでも大丈夫だと思うが 幌布をきれいに張るには経験が必要だし とにかく大変な作業なので手を抜かない業者選びが重要だと思う

S2000に限らず幌車はイメージと違って案外丈夫だし 開け閉めによって2種類のクルマに乗れると考えれば面白いと思う
ただ2シーターでは気にならない風の巻き込みも 4シーターのオープンだと後部座席には思いっきり風が吹き込むらしいので検討している方は事前の情報収集を勧めたい