映画と原作

最近「映画 進撃の巨人」についての酷評をよく目にする
私自身は漫画の実写映画化 特にファンタジー要素の多いもので良い評判を聞くことがないので 実写映画化の話題が出た当時から興味はなかったのだが 最近目にする酷評のオンパレードに考えさせられるところがある

以前から疑問…というか 未だ完結していない原作をアニメや映画とかの映像化しようとすることが失敗に繋がっているんじゃないかと思っていた
まあ 完結とは言えなくても 例えば長編作品の○○編が終わってるとかなら問題ないとは思うけども

完結していないということは 登場人物がどんなキャラなのか確定していないということなので 原作で表現されている部分だけでキャラの人格が設定されることになる

具体的な例で言えば 2003年から放送されたアニメ「鋼の錬金術師」がある
原作は全27巻にも及ぶ長編作品なのに 人気があるからという理由だけで原作7巻あたりが出た程度でアニメ化されたのだが 原作のネタバレを防ぐためもあってかアニメは設定から大幅に改変されたものとなった
改変されたストーリーそのものは原作とはかけ離れながらもそれなりに面白かったのだが 登場人物の性格が原作とかなり違っているのがストーリーの面白さをかなり阻害していた
原作漫画の登場人物は敵方でさえも魅力的なのだが このアニメの方ははっきり言って「下衆い」のである
主人公でさえも魅力的には思えないほどだったので 単純に脚本が悪いのだろう

思い出補正なのか「アニメのハガレンはけっこう面白かったよね」という意見をよく耳にするが 2009年から原作準拠で作製されたアニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」を見るなり原作を全部読むなりしてからもう一度旧版の全編を見てほしい
登場人物が下衆という意味を分かってもらえると思う

名作あるいは佳作といわれる映像作品は登場人物に魅力があって それが物語の進行を支えている
シリーズ化されているものなどは登場人物に魅力がなかったら見ていられない

進撃の巨人は原作も読んでるしアニメも見たが 今回の実写映画は登場人物の設定がかなり変えられているらしい
それが魅力を増す方向に行っていれば良いのだが 今回の映画では所謂日本のメロドラマっぽくなってるとか

制作スタッフが予算がないことを言い訳にしてるとかの情報も流れているが メインキャラの人物設定に予算は関係ないと思うのだけども

舞台設定やストーリーに原作者も絡んでるという情報もあるが 最近の日本映画やドラマでよく使われる原作改変の言い訳として原作者が使われてるような気がしないでもない

まあ 進撃の巨人に限らず 漫画原作の実写化で成功した例は極端に少ないので 企画段階から根本的に見直さないといけないことは山ほどありそうだが 何はともあれ未完の作品を映像化するときには 原作と同レベルか超えるぐらいの作品を新たに作るぐらいの覚悟は必要なんじゃないかなと今回の騒動を見ながら思ったのだった


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