雪道運転の2段階○○

コロナで揺れた2021年も11月末となり、各地から初雪の便りも聞こえてくる時期となった

最近では全国どこでも雪が積もる可能性があったりして、昔は雪の降ることの無かった地域の人たちでさえ、備えとしてスタッドレスを買うというケースも増えているようだ

雪道はスタッドレスを履いていれば何とかなる……は正しいのだが、スタッドレスであれば雪道走行は大丈夫というものでもない

しかし、雪道運転のノウハウを挙げだしたらキリがないので、ここでは発進と停止に大事なテクニックを紹介したい

まずは停止に必要なブレーキの踏み方だが、2段階ブレーキというのを提案する

具体的には、乾燥路でのブレーキ踏み始め位置より手前で、ちょっと強めにブレーキを踏むのが第1段階

凍結路ならば、ここでABSが効いてしまうと思うので、ABSが作動したらブレーキを踏む力をちょっと緩める

そうするとタイヤがグリップを取り戻すので、もう一度ブレーキを踏み直す これが第2段階

ブレーキを踏む力を緩めるとは言っても、ブレーキペダルから完全に足を離してしまうのではなく、ペダルに乗せた足の力を緩める程度が良い

イメージとしては、自動車教習所で習う「ポンピングブレーキ」をもっとスマートにやる感じだろうか

ポンピングブレーキというと、最近はABSがあるから過去の技術だよね……と言う人がいるが、凍結路面でABSが効いても、全然止まらずに滑っていくという経験をしたことがない人なんだろうなと思う

肝心なのはタイヤが路面をしっかり捉えることなので、滑ってる状態から一度負荷を緩めることで、グリップを取り戻しやすい状態を作ってやるのがこの2段階ブレーキなのだ

歩くのさえ困難な凍結路面というのは、目で見ても普通の舗装路にしか見えないことがある(俗にブラックアイスバーンと言ったりする)

凍結の可能性がある気温ならば、停止用の距離を多めに取ってABSを危険センサー代わりに使うというのが、滑って慌てることを防ぐことになると思う

また、2段階目のブレーキでもABSが効く場合、それこそポンピングブレーキ的に何度も踏み直すと止まれることがある

さて、今度は発進の2段階

雪道、あるいは凍結路の発進はとにかくやんわりと行うのが良いと言われるが、ATでもMTでもタイヤをじわじわ転がすような発進というのは難しいし、神経を遣うものだ

そこでもっと簡単な方法が2段階アクセルである

原理は停止の場合とそう変わらない

滑って発進できないというのは単純な話、タイヤがグリップできていないということなので、タイヤにかかる負荷を緩めてグリップを取り戻せば発進可能になるということだ

具体的にはAT車ならクリープでアクセルを踏まずに前に進むことを確認してから徐々にアクセルを踏む

MT車なら、普段の発進より少しだけ慎重にクラッチをつなぎ、滑りを感じたらアクセルを緩めクラッチを踏む

少しでも前に動き出しさえすれば、一度駆動力を緩めることで、タイヤのグリップを取り戻すことは簡単になる

ただこれだけのことだが、何も意識しない発進よりも確実に前に進めると思う

雪道や凍結路は慎重な運転が必要だが、常に緊張状態では疲れてしまう

そこでこういった、ちょっとしたコツを覚えていくことで、乾燥路との違いに戸惑わずに済むのではないかと思う