オーディオの思い出

私がオーディオを意識し始めたのは中学一年生の頃
1975年ぐらいからだったと思う

当時 私の家にはレコードプレーヤーとラジオが一体となったモジュラーステレオしかなかったが 特別に音楽に興味があったわけではなく 親がたまに買ってくる流行歌を鳴らす程度ならば充分だった

それが中学に入ってから 友人の影響で洋楽を聴くようになってからオーディオに興味を持つようになったと記憶している

初めて自分の小遣いで買ったLPがビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」だったが さすがに針圧調整もできないモジュラーステレオのプレーヤーにかけるのは勿体無いと思うようになった

とりあえず父親に相談してみると 父親本人も貧乏ながらもちゃんとしたステレオ装置が欲しいとは思っていたらしい

そこで父親を上手くだまし…いや説得して 低価格ながらも独立したプレーヤーとアンプ そしてスピーカーを揃えてもらった

その当時 オーディオ知識の源は雑誌のFMファン
またStereo Sound誌も読んでいたと思う

中学時代はオーディオ知識よりも 音楽知識の方に重点を置いいていて 小遣いを貯めてはレコードを買うというのがやっとだった

家のオーディオ装置がグレードアップしたのは高校時代

プレイヤーはビクターのダイレクトドライブのもの(型番失念)で アンプは山水のAU-707 スピーカーはダイヤトーンのバックロードホーンキットをしばらく使っていた

スピーカーについては父親の知り合いの電気屋さんに何度も通って試聴検討したが 気になっていたのはいつも片側が後ろ向きにしてあるJBLのモニター4331
理由を尋ねてみると「故障している」との事

ある日しつこく話を聞いてみたら これを聴いてしまうと他のスピーカーが売れなくなっちゃうからだそうで 故障ということにしているということだった

それなら!ということで 当時の私の試聴用リファレンスレコード「リー・リトナー:フレンドシップ」(ダイレクトカッティング録音)を持ち込んで聴かせてもらうことにした
当然1本40万円近いスピーカーを買えるわけではないが そこは何度も通ってる熱意が通じたのだろう

実際に音を出してもらって驚いた

今まで家で聴いていた音は何だったんだ…と思うぐらい 各楽器の音が鮮烈に聞こえてくる
その体験は本当に凄くて しばらく家のオーディオから音を出す気が起こらないぐらいだった

実はそれ以前にも他のオーディオ専門店でJBLのスピーカーは聴いていたのだが 機器の組み合わせが悪いのか そんなに凄いとまでは思ってなかったのだ
つまりはJBLの凄さを体験すると同時に オーディオは組み合わせが重要だということも学ぶ体験だったという事になる

その後 やっと自宅のオーディオでも普通に音楽を聴くようになってから 改めて試聴させてもらってビクターのZERO5というスピーカーを購入したのだった

今では音源がデジタルになってノイズは劇的に減っているし レコードのような気遣いも必要なく気軽に音楽を楽しめるようになった
それでも当時のレコードで体験したいろいろな音は良い思い出だと思う

多分に思い出補正はあると思うけどね


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